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支援内容
0〜6歳児のお子さんに親子通園をしていただき、主としてABA(応用行動分析)を用いた方法で訓練・療育を行います。
マママでは、必要に応じてM-CHAT、また発達障害の度合いを知り訓練に生かす目的で以下の検査(有料)を行います。児童相談所や他機関での検査結果をお持ちの場合は行わないケースもあります。別途に費用がかかります。
PVT-R 絵画語い発達検査(日本文化科学社)
言語の理解力の中でも特に基本的な「語いの理解力」の発達度を正確に測定します。4つの絵の中から、検査者の言う単語に最もふさわしい絵を選択させるという、分かりやすい手法を採用しています。対面式で短時間で終わります。
乳幼児発達スケール[KIDS](公益財団法人 発達科学研究教育センター)
全国38都道府県の乳幼児約6,000名によって標準化された新しい検査です。乳幼児の自然な行動全般から発達を捉えることができます。マママでは毎年1回行います。質問紙形式で保護者に「はい・いいえ」で選択記入をして頂きます。
保育・指導要録のための発達評価シート[TASP](スペクトラム出版社)
保育園や幼稚園での対象児の状況や課題を現場の先生方に評価していただく検査です。園での様子を客観的に図れるツールとしてマママでは保育所等訪問支援サービスを導入の検討などの際に利用します。
Vineland-Ⅱ適応行動尺度(日本文化科学社)
全てのライフステージでの発達障害児者の行動を評価する検査で、結果からストロングポイントなどを割り出し支援に結びつけます。マママでは小学校への進学後を見据えて検査を行います。
一コマあたり約1時間の個別訓練を行います。個室での一対一の訓練(デスクセラピー中心)で原則として保護者に同席してもらいます。またPT(ペアレントトレーニング)と問題行動等への対処の相談なども並行して行います。時間数として、公費と自費を合わせて、週3時間(コマ)から5時間を目標に出来る限り多く通って頂きます。家庭ではマママで学んだことの実際の場面への般化に取り組んでいただきます。ホームセラピーに取組まれる場合はつみきの会へ入会して頂きます。
【利用例01】 |
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療育センターとの併行通園。「つみきの会」会員。母親が積極的に自宅で訓練を行っている。合せて週10時間ほど。 |
【利用例02】 |
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幼稚園に通いながらの利用。療育センターに籍があったがマママのみになる。家庭では問題行動の消去を中心に取組んでもらっている。 |
【利用例03】 |
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地元の療育センターとの併行通園。「つみきの会」会員。遠方のため母(毎週)と父(隔週)という変則的な週1.5回の通園。家庭での時間数を増やしている。 |
プログラムの基本は「つみきBOOK」(藤坂龍司)です。マママではこの本をベースにし、個々に応じたプログラムを追加したり、深めたりします。またPECSなどのコミュニケーション手段を並行して導入することもあります。BOOKの初級から上級までの主な課題を紹介します。
「つみきBOOK」とは?
自閉症のお子さんの親の会であるNPO法人つみきの会の代表、藤坂龍司さんが2004年に会員向けに著したABAの訓練プログラムであり保護者向けのオリジナルなマニュアルです。早期家庭療育を始めようとする親や、それをサポートする医療・療育・教育関係者のために書かれており、21年の5訂版後、初・中・上級の3冊に分けられ内容も濃くなりました。BOOKは言葉を含めて就学までまでの生活スキルを網羅しています。藤坂さんの経験談なども交え、3巻では計700ページ程となり、単なるマニュアル本を超えた一冊になってます。
課題に取り組むためにはまず、椅子に座っていられ、大人の指示に従えなければなりません。初級では、最初の課題「椅子に座る」から入り、簡単な課題をこなしていく中でコンプライアンス(大人の指示に従う姿勢)を確立していくことがテーマとなります。
具体的なものの名前までだった初級に対し、分類や色形、大小など抽象的な概念を学び、言語記号の操作とコミュニケーションの力を付ける最初の段階です。
質問にふさわしい答えを返すという、三語文レベルでの会話らしい会話へ向けての課題に取り組んでいきます。さらにピアトレーニングなどを通じて健常のお子さんとの交流を促します。この段階から、本人の成長に照らしながら幼稚園や保育園への集団への参加を促していきます。
スケジュールを確認したり、他の人からはどう見えるかを想像したりと、集団生活で必要なスキルを身につけていきます。幼稚園、保育園での対応への助言や実際の訪問などを通じて社会性の獲得を支援していきます。就学への準備段階です。
マママでは、個別訓練と並行してご家庭での接し方や問題行動の解決方法など、子どもとの対応方法を保護者の方にも一緒に学んでいただきますが、これをペアレントトレーニング(PT)と呼びます。
訓練中は保護者同室で様子を見てもらいながら、ABAの基本を学んでもらいます。必要時にABAに基づいてお子さんの取った行動の説明などをして行きます。その上で、個々のご家庭でできる日常的な関り方を身につけて頂きたいと考えています。さらに、DTT(Discrete Trial Training:不連続試行訓練)と呼ばれるABAの基本的な訓練方法を学んでいただきます(実際に個別訓練を行われる場合)。お子さんは訓練時間に比例してできることが増えていきます。つまり上記プログラムの課題も時間数に応じて進んでいくことになります。従い、ご家庭でも訓練が可能であればお部屋を用意してもらいできるだけ多くの時間を復習を中心にこのDTT訓練に取り組んで頂きたいと考えています。ロヴァースの研究、週40時間での成果(約半数が通常級へ)、が示すように、質はもちろん時間数を増やすことがキーポイントとなります。マママと並行してご家庭でも訓練を行っていただくことで大きな成長へと繋がって行くことでしょう。
はじめまして。マママとまままの管理者の林です。私がこの事業所を開くに至った経緯や思いを少しだけ書いておきたいと思います。
「障害」「障碍」「障がい」など、ある自治体ではこれは使わないなどと、本質から目をそらしたような不毛な議論が過去にありました。マママの林は、これを「ハンディ」として捉え、先ずは国と社会がそれに配慮をすべきであり、本人や家族が特別な自助努力をせずとも幸せに暮らせるようにして行かなければならないと考えます。その一方で、自閉スペクトラム症をもつ人と家族や支援者は、今ある社会・地域でより豊かな生活ができるようできる限り努めていくべきだと思います。両者が真摯に手を差しだすことが当たり前になれば、そこに「障害(妨げ)」は生まれないはずです。
マママでの訓練は、本人にとっては「遊び」のようなものですが、たとえば健常のお子さんが幼稚園で勉強する、小学校で勉強するのと同じように、「障害」がゆえにできないことがあれば、それをできるように練習していくのです。できることが早く多く増えるにつれてその子の将来の可能性も広がります。そのための最良の方法がABA(応用行動分析)です。
発達障害のお子さんたちにとって人生で最も大切な時期は乳幼児期であることは間違いありません。この時期にABAに基づいた集中的な療育(EIBI:早期集中行動介入)を行うことの効果はこの30年間で世界各国の多くの研究が示しています。林は言語聴覚士(ST : Speech Therapist)として1990年代に自閉症のお子さんの訓練を病院で行いました。教科書的な訓練、プレイセラピーからインリアル、そして今では無い抱擁療法にも取組みました。しかし、満足の行く成果は得られないままお子さんたちの支援から足は遠のいたのです、、、それからおよそ20年後にABAと出会いました。衝撃的と言ってよい出会いでした。ロヴァースの論文を読んで驚き、実際に見てみたいとつみきの会に参加したのが始まりでした。以後「つみきの会」の藤坂代表から多くを学んできました。ABAでは全ての行動・行為を対象とし、スピーチ以外の分野も沢山あって大変です。しかし、代表の「こんなに良い方法があるのに(どうして専門家に広がらないのか)・・・」という言葉に共感し専門分野以外も学んでいます。ABAの素晴らしさを知った以上はセラピストとして取り組まざるを得ないという気概のようなものもできました。また、これまでのSTの技術やAAC(拡大・代替コミュニケーション)スキルをABAをエンジンとした支援により効果的に生かせるようになりました。ペアレントトレーニング(PT)の重要性にも気付きましたので、保護者にはつみきの会に入会をお薦めし、お子さんの支援にできるだけ具体的に関って頂いています。
現在のところ、自閉症のお子さんたちの就学後は、ABAと入れ替わるようにTEACCHプログラムが主流です。これはどちらが良いという話ではなくどちらも大切ですが、スケジューリングなどの視覚的な行動支援が並行して重要になってきます。しかし、TEACCHの「構造化」は、ABAの「先行条件操作」と原理的に同じ考えですので、保護者がABAを学ぶことは就学後の適応も容易にします。
マママではこのような見通しの下での支援を基本とし、お子さんが成人した時を想像しつつ保護者の方と共に考えて行きたいと思っています。 通所を始められた保護者の皆さん、不明なこと、疑問に感じること、いつでもご相談ください。(マママとままま 代表 林 文博)
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